2011年11月3日(木)

江戸六地蔵(甲州街道)

東京都新宿区新宿2-9-2(太宗寺)

六地蔵

ひとつ目は気にかけず、ふたつ目で「おやっ?」と思う。そして、三つ目に出会ったところで「集めてみようかな」という気持ちになる。コレクションの始まりは、いつもそんな感じだ。

塩かけ地蔵尊

そうやって三つの江戸六地蔵が集まったので、四つ目は「たまたま」ではなく「この地蔵のために」新宿の太宗寺を訪ねてきた。新宿御苑のすぐ北側、今までに何度も目の前を素通りしていたところだ。

江戸から諸国へ旅立つ人々の安全を祈願するこの地蔵尊、目の前を通る新宿通は旧甲州街道のあとだ。現在の新宿の賑わいは、ここより西の駅周辺に移ってしまったが、江戸時代にはこのあたりが宿場町・内藤新宿の中心だったらしい。

お地蔵さんといえば、縛られたり倒されたり、いろいろにいじめられる身代わり地蔵の信仰が各地に伝わっているが、ここにも塩漬けにされた「塩かけ地蔵尊」が祀られている。おできやいぼとりに御利益があるそうだ。

六地蔵の正面、これから甲州街道が延びて行く西の方角に立っている様子は、街道が分け入っていく甲州・信州の険しい雪山の景色のように見えた。どうぞお地蔵さま、道中をお守りください。

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