東京大学総合図書館・法文1号館
東京都文京区本郷7-3-1
東大本郷キャンパスの建物は、どれも似たような外観をしている。設計者・内田祥三の名を冠して「内田ゴシック」と呼ばれる様式で建てられているためだ。
ゴシック様式といえば教会、と短絡したわけではないとは思うけれど、イチョウ並木に面した法文1号館(1935)、2号館(1938)の入口は、小さな教会を連想させる。建物全体の重々しい感じが、一瞬ほころんだようなかわいらしい意匠だ。
総合図書館(1928)の正面は、本棚に並ぶ本の背表紙のように見える。少し黴臭い、皮装幀の古書の趣。それが設計者の意図なのか、見る側の見立てなのかはわからないけれど、そういう遊び心が面白い。
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