2011年12月12日(月)

国領駅前のイチョウ

東京都調布市国領町2-5-15

南から

国領駅前のイチョウが色づいている。通勤に電車を使うことが少なくなったので、少し見なかったあいだに、残念ながら黄葉の盛りは過ぎようとしているようだ。

コクティ

根方には赤い幟をずらりと並べた昇福稲荷神社が鎮座している。再開発前は商店街の裏に隠れていたのだが、まわりの建物が無くなって表に出て来た。昔の国領を思い出すよすがとして大切に祀られている。

仙川駅前の桜のように伐採の危機に脅かされたという話もなく、何事もなかったかのようにイチョウの木はここに残された。再開発に伴って起きる様々な変化に対抗して、昔からの国領を護りさらに発展させてもらいたいと願う地元商店主たちの思いが、このイチョウとそこに祀られた神様を守ったのだろう。

再開発はこまごまとしたお店を大きなビルにまとめてスッキリさせたけれど、その分、情味に欠けるというか町の味わいのようなものが乏しくなってしまったような気がする。このイチョウの木は、パソコンがずらりと並ぶオフィスの机の上に置かれた鉛筆のように、デジタルな世界にアナログな雰囲気を残して私たちを安心させてくれる大切な存在だ。

昇福稲荷についての説明板 | 開発前の国領駅前