鍋屋横丁(国領駅北口)
東京都調布市国領町2-5-15付近
国領の駅前が変わっていく。南口開発の時に慣れ親しんだ街並みがなくなるのを写真に取り損ねたので、北口開発の時には…と思っていたのに、あっという間にみんななくなろうとしている。
旧甲州街道から南に折れ、京王線国領駅横を通って狛江方面へ続く道(狛江通り)は、江戸時代の昔から鍋屋横丁とよばれていた。その名の由来となった鍋屋(大鍋で湯を沸かし街道を行く旅人に湯茶の接待をした家)の跡はすでに定かではなく、道の東側は高層マンション建築のために古い商店の取り壊しが始まった。
マンサード屋根風の看板建築が気になっていたので、壊されないうちにと写真を撮りに行ってきた。改めてみるとその並びの時計屋も、二階の角が部分的にガラス張りになったおもしろいつくりをしている。二軒の間が空き地になって見晴らしが良くなったら、時計屋の屋根に「めがね、宝石」のネオンサインがあるのに気がついた。
今は古びて見えるけれど、数十年前にはそれなりに斬新な景色だったのだろう。
空き地の奥に残されたイチョウの根方に小さな祠が見える。ここの神様は新しい安住の地を見つけられただろうか。