地蔵イチョウ
東京都稲城市大字矢野口432付近
いつか行こうと思っているうちに何年も経ってしまった場所が幾つもある。このイチョウも、黄色く色づく頃また来ようと思っているうちに10年近くが過ぎてしまった。思い立って訪ねてみると、川崎街道のイチョウ並木はまだ黄葉が残っていたのだが、残念ながらこのイチョウの木はすっかり葉を落とした後だった。
前回来た時には、ここから多摩川方面に延びる渡船場道に建つ馬頭観音を訪ねている。思い返してみると、馬頭観音の後ろには大丸用水の分水が流れていたのだが、再訪してみると蓋がされて暗渠になっていた。南武線も高架になり、町は刻々と変わっていく。
それでも、数百年を生きてきたイチョウの木は変わらず、悠々と道行く人たちを見守っている。
ところで右の写真の左上、イチョウの枝が赤茶色く写っている。枯れ葉にしてもイチョウなら黄色いはずだがとよく見てみると、全く違う種類の木がイチョウの幹から生えているのだった。イチョウの木が抱き込んだのか、この木が洞から芽を出したのか。いずれにしてもその生命力には恐れ入るばかりだ。