池上本門寺松濤園
東京都大田区池上1-2-1 朗峰会舘
9月だというのに灼けるように熱い。秋めいてきて空気が澄んできた分、屈折することなく容赦なくストレートに降り注ぐ陽の光が辛い。
日蓮上人入滅(臨終)の地として知られる池上本門寺の日本庭園「松濤園」は、スリバチのようになった地形を生かして作庭されている。鉢の底で湧き水を湛える池が目に涼しく、鉢の縁を彩る緑陰に守られて優雅な散策が出来るかと思いきや、風の通らない窪地に熱がこもって難儀した。まだまだ元気な蝉の声が暑苦しい。
明治維新の折、西郷隆盛と勝海舟が江戸城明け渡しの件についてこの地で会見をしたという記念碑が園内に建っている。同じ趣旨の碑は薩摩藩邸のあったJR田町駅前にもある。事が事だけに会談は数回にわたり、ここ池上で行われたものはその端緒となるものであったらしい。
今週一週間だけの特別公開だが、もっと涼しくなって秋の紅葉の頃に公開される方が魅力的だったな。その機会はあるのだろうか。
(説明板) 松濤園の園地 | 西郷隆盛・勝海舟会見の碑 | 橋本雅邦筆塚 | 茶室「鈍庵」 || 池上本門寺 | 田町の会見地跡碑