2012年10月5日(金)

榎の木の庚申様

東京都西東京市泉町2-3-2

榎の木の庚申様

深大寺の西側を南北に走る武蔵境通りの整備が進んでいる。北へ上がっていく道は、現在は連雀通りにぶつかる「三鷹市塚」の交差点でクランク型に曲がって武蔵境駅へと通じているけれど、JR中央線の高架化に併せて三鷹市塚から北の一方通行路が拡幅され、一直線に浄水場を目指して北上するように変わりつつある。

深大寺道

この道は、古くから深大寺参詣に訪れる多くの人に利用されてきた道と伝えられ、その跡は、更に浄水場の北、武蔵野大学(武蔵野女子学院)の東側を通ってほぼまっすぐに北へ埼玉方面まで延びていく。

古い道沿いには所々に目印となる石仏が残っている。西東京市の泉町1丁目、2丁目、保谷町5丁目、6丁目が接する所に建つこの庚申塔もそのうちの一つで、向かって左を南北に通る道が深大寺道といわれている。

周辺の田無や武蔵野にはかつて軍需工場が集まっていたので、多摩地区の中でも空襲被害の多い地域だった。この青面金剛も空襲で3本の腕を失っている。長い年月が経過して戦争の記憶は失われつつあるけれど、この石仏は歴史の証人として、いつまでもこの姿でここに立ち続けていくことだろう。

西東京市教育委員会の説明板 | 「三鷹市塚」の交差点