2013年1月11日(金)

吉展地蔵尊

東京都荒川区南千住5-33-13 回向院

吉展地蔵尊

南千住駅前に建つ回向院の門前に大人の身の丈を越える大きな地蔵尊が祀られている。「吉展(よしのぶ)地蔵尊」と書かれた案内板に添えられた英訳は"Yoshinobu guardian deity of children"。

忘れかけていた半世紀前の記憶がよみがえる。

昭和38年(1963)に起きた「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の被害者村越吉展ちゃんは、当時4歳。わたしと一つ違いの男の子だった。「のぶ」の字を含むこともあり、わたしの回りでは皆、人ごとではない思いで事件を見守っていたことを思い出す。

営利誘拐は卑劣な犯罪だ。ましてや、その被害者が帰らぬ身になるなどと言うことは決して許されることではない。子供を守る地蔵尊に当てた"guardian"と言う単語が頼もしく胸に響いた。

この地蔵尊は当寺の檀家である村越家が奉納したものだという。吉展ちゃんの発見現場は、奇しくもここへ来る前に立ち寄った円通寺だった。円通寺にも供養の地蔵があったらしいのだが気がつかず、お参りしてこなかったのが残念だ。

円通寺の吉展地蔵尊