矢川辨財天の白蛇
東京都立川市羽衣町3-29-27
今年の干支は巳、つまりヘビ年だ。西洋ではアダムとイブをたぶらかした悪者扱いされているけれど、日本では屋敷に棲みついてネズミから米を守ってくれる益虫として大事にされてきた。うちの年寄りは昔、屋根の梁からボタッと落ちてきたアオダイショウに肝を潰したことがあるそうだ。
なかでも白蛇は弁才天(弁財天・弁天様)の神使として尊ばれている。
矢川の弁財天には、狛犬に代わって社を守る二匹の白蛇がとぐろを巻いている。奉納は昭和十八年。ヘビにしてはかわいい顔をしている。二体とも吽形。ヘビが大きく口を開けていたら怖いモンね。
境内の龍神之池を渡る橋の欄干にも白ヘビが這っている。橋の名前は白龍橋だがどう見ても龍には見えない。立派な錦鯉がその下を泰然と泳いでる。滝を登って龍になるといわれる鯉にしてみれば、ヘビなんか鼻にもかけないということなのか、橋の上のヘビも心なしか気弱そうな顔つきだ。