成長のあかし
東京都品川区大崎3-8-20 居木神社
うろ覚えだが、ジャッキー・チェンが主演した映画「ベストキッド」(The Karate Kid、2010)に、主人公の少年が自分の身長を柱に刻んでいくシーンがあった。♪柱のきずはおととしの〜、と童謡にも歌われた風習が、海外にもあることを知って少しうれしくなったことを覚えている。
わたしが子供の頃は「大黒柱」なるものが家の中心にあって、そこに成長の記録を刻んでいたのだが、最近の洋風建築にはそういう場所が見あたらない。わたしの子供の記録は、キャラクターの身長が印刷された紙製の身長計に記されて壁に貼ってある。
大崎の鎮守、居木(いるぎ)神社の境内に、「成長のあかし」と彫られた石碑が建っている。碑全体が身長計になっていて、七五三や初詣などの節目ごとに子供の(あるいは自身の)成長を確かめられる仕掛けになっている。
ツルツルに磨かれた碑の表面に、カメラを構えた自分の姿が映っている。横の目盛りと比べるまでもなく、その姿はずいぶんと小さく見える。怠惰に日々を過ごして成長していない現実を戒められたみたいで、ちょっと背筋が伸びた。
末社厳島神社の説明板 | 居留木橋カボチャ(JA東京) || 富士塚