泉岳寺
東京都港区高輪2-11-1
子供の頃、「おのおの方、○○でござる」というセリフがはやっていた。「おのおの方、国語のテストでござる」「おのおの方、給食当番でござる」、みたいな感じで。
そのオリジナルが、忠臣蔵(※)で大石内蔵助を演ずる長谷川一夫のセリフ「おのおの方、討ち入りでござる」だということを知ったのは、ずいぶんと後のことだった。今よりも時代劇に人気があった時代、駄洒落ではないが、その中心に忠臣蔵があったのだ。
その赤穂浪士こと討ち入りに参画した四十七士と主君浅野内匠頭の墓所は、高輪の泉岳寺にある。あまりにも有名なので、何となく気後れがして、今まで訪ねずに来たのだが、いつまでも中途半端なままでも落ち着かないので行ってみることにした。
門前にお土産物屋さんが軒を連ねていたのは「さすが」と思ったけれど、想像していたような賑わいはなく、境内は静かで落ち着いた雰囲気だった。もともとこんなもんなのか、それとも、もう忠臣蔵をもてはやす時代は過ぎてしまったのか。
義士の墓よりも、山門の裏に聳える松の立派さばかりが印象に残った。
※ たぶん、昭和39年(1964)放映のNHK大河ドラマ「赤穂浪士」
義士墓解説 | 由緒 | 泉岳寺山門 || 大石良雄外十六人忠烈の跡