お猿橋庚申堂
東京都品川区小山台1-21-17
「お猿ってなんだよ」
円融寺へ行く道を探して走っていく途中、武蔵小山駅付近でみつけた「歴史と文化の散歩道」の道標を見て、思わず突っ込んでしまった。そんな子供が付けるみたいな名前があるか。
都立尾山台高校の北側を東西に通る道が碑文谷道。品川から碑文谷の円融寺へ参詣に行く人が通った道で、その脇を流れる品川用水にお猿橋という橋が架かっていたのだそうだ。その脇に立っていたのがお猿橋庚申塔。今は碑文谷道から脇に入ったところに移されている。
庚申塔には例によって三猿が彫られている。それが橋の名の由来になったのかどうかはわからない。品川用水の開通が寛文九年(1669)、庚申塔が建てられたのが延宝二年(1674)と近いのは気になるが…。
そっけない「猿橋」ではなく、「お」をつけたところに土地の人たちに親しまれていた様子が表れていて微笑ましい。塔を守ってきた庚申講は廃れてしまったけれど、今も町の人たちに大切にされているようだ。