2013年4月28日(日)

伊藤伊兵衛の墓

東京都豊島区駒込6-11-4 西福寺

伊藤政武墓

旧丹羽家の邸宅跡、門と蔵のある広場から駒込小学校の門前で折れて染井よしの桜の里公園へと進む道は、春には桜並木がきれいなところだ。ソメイヨシノの里を巡る散歩には欠かせない名所になっている。

ツツジ

その桜並木の北側に建つ西福寺に、東京都の史跡に指定された、伊藤伊兵衛という植木職人の墓がある。政治家や文化人でもない植木屋さんの墓が史跡とは意外だが、かつては江戸随一の植木の里として知られていた染井・駒込の歴史を語る上で「伊藤伊兵衛」は欠かせない人物なのだ。

「伊藤伊兵衛」は世襲名で、なかでも三代目三之丞、四代目政武父子は数々の園芸書を著し、単なる植木屋を越えた江戸園芸の中心的人物として名を残している。西福寺の墓は政武のもの(左写真中央)で戒名に「樹仙」の号が見える。

父三之丞は「きりしま伊兵衛」とも呼ばれ、キリシマツツジの栽培と品種改良に熱心で、そのツツジ園は江戸の観光名所になっていたという。駒込駅前にある染井吉野桜記念公園の記念碑には、その様子を描いた絵が添えられている。

(教育委員会の説明板) : 伊藤政武墓 | 西福寺 || 染井吉野桜記念公園