今寺天皇塚のレンゲ畑
東京都青梅市今寺二丁目付近
三度目の正直。なかなかタイミングが合わなかった今寺天皇塚水田で、今回やっときれいなレンゲ畑を見ることができた。今年は例年よりレンゲの咲くのが遅かったようだ。
広い田んぼのすべてがピンク色に染まっていたら秩父の芝桜級の観光名所になりそうなものだが、その気は全然無いようで、レンゲが咲いているのは限られた数面だけ。以前はレンゲまつりも開催されていたが、今はやめてしまったようだ。
レンゲ畑はかなりたくさんの雑草混じりで、なかなかにワイルドな雰囲気だ。レンゲを楽しむためではなくあくまでも農作業の一環としてレンゲを植えて肥料にするのだ、ということで余計な手を入れていないのだろうか。その自然な感じが、かえって心地よい。
広い空の下に流れるゆったりとした時間の中で、レンゲ畑が特別なものではなかった昔を思い出す。子供の頃は、調布にもたくさんの田んぼがあって春にはレンゲが咲き乱れていた。
なにかというと昔話をするのは年寄りの悪い癖だけれど、レンゲ畑だけは特別だ。どんなにサクラがきれいに咲こうと、あたり一面が甘いバラの香りで包まれようと、あぁきれいだな、いい香りだなと思うだけ。レンゲだけが懐かしさで心を満たしてくれる魔法の力を持っている。