水上勉旧居跡
千葉県松戸市下矢切123 矢切駅前
先日、俳優の三國連太郎が亡くなった。彼の数ある代表作の一つとして挙げられる「飢餓海峡」(監督:内田吐夢、1965)の原作者、水上勉の旧居跡の碑が、北総鉄道北総線矢切駅前に建っている。
西田敏行と競演した「釣りバカ日誌」も三國の晩年の代表作と言っていいだろう。寅さん亡き後の松竹の国民的映画として人気を博したが、寅さんの柴又はここから矢切の渡しを渡った対岸にある。
駅前ロータリーに立つ観光案内には「民子と野菊と矢切の渡し」と書かれている。作家としては水上勉の方が有名だと思うけれど、水上がここに住んだのはわずか2年ほど、「雁の寺」で直木賞を受賞し有名になる直前の不遇の時代だったから、矢切は水上勉の町ではなく伊藤左千夫の町なのだな。