石川五右衛門の大釜
神奈川県川崎市高津区二子1-11-23(飯島商店)
多摩川の二子橋から溝の口方面へ向かう道は雰囲気のある道だ。外灯に掛けられた表示に「大山街道」とある。現在は国道246号になった大山街道(矢倉沢往還)の旧道なのだ。
現代の建物に混じって、古い蔵造りの建物がいくつか残っている。そのなかの一つ、金物屋の飯島商店の前には大きな釜が置いてあった。昭和53年(1978)に放送されたNHKの大河ドラマ「黄金の日々」で石川五右衛門を釜ゆでにしたものだという。
大河ドラマには殿様やお姫様、維新の英雄達が活躍するものが多い中で、「黄金の日々」は一般人(商人)を主役にした異色のドラマだった。五右衛門を演じた根津甚八をはじめそれまであまりTVで馴染みの無かった個性的な俳優が多数出演していたという点でも珍しく、物語も面白かったのでいつもは見ない大河ドラマを熱心に見た憶えがある。
35年も前のTVの小道具にどれほどの宣伝効果があるのか分からないが、少なくとも私には思いがけなく懐かしい出会いだった。