2013年11月6日(水)

ツインコリダー

神奈川県川崎市幸区河原町 河原町団地

吹き抜け

映画「フィフスエレメント」(監督:Luc Besson、1997)に描かれた未来都市では、空が見えないほどに超高層ビルが密集して建ち、その間を空飛ぶ車が行き交っていた。河原町団地のツインコリダーの内部には、TAXIこそ飛んでいないけれど、まさにあの映画そのものの景観が広がっている。

外観

ツインコリダーとは、近接して建つ2棟の廊下が吹き抜け部分に沿って並行していることを指してこう呼ばれる。twin(2つの)corridor(廊下)だ。

いくつかある住宅棟のうち、一番西側に位置する棟の吹き抜け一階部分は商店街になっている。逆Y字棟の内部空間ほどではないけれど、吹き抜けの底まで陽の光が届かないせいで薄暗く、商店街らしい華やいだ雰囲気が感じられないのが残念だ。上からのしかかってくるような建物の重苦しさもそれを手伝っている。

外に出ると周囲の駐車スペースに「障害者用」の文字が目立った。団地の中にある小学校は廃校になり、老人介護施設になっている。団地が建ってから40年以上が経過して住民の高齢化が進んでいることも、沈んだ雰囲気の一因かもしれない。

逆Y字棟