伊勢佐木町ブルース歌碑
神奈川県横浜市中区伊勢佐木町4-123付近(イセザキモール内)
わたしが小学校の高学年になって、歌謡曲というものに少し興味が出始めた頃、二つの衝撃的な歌との出会いがあった。悩殺的なため息からはじまる青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」(1968)と、由紀さおりが「るーるーるるるー」と歌うだけでほとんど歌詞のない「夜明けのスキャット」(1969)だ。
ちょうど、走り過ぎるスポーツカーの巻き起こす風で女性のミニスカートがまくれ上がる「Oh!モーレツ」のCM(丸善石油、1969)が話題になり、スカートめくりが学校ではやり出した頃。「愛」だの「恋」だのという歌を聴いて、見てはいけない大人の世界を覗き見るような気分でいたところに、「あは〜ん」は刺激的すぎた。伏せ字もどきの「るーるーるるるー」にも妄想をたくましくさせられたものだった。
イセザキモール内に建てられた「伊勢佐木町ブルース」の歌碑にはスピーカーが内蔵されていて、スイッチを押すと彼女の歌声が聞こえてくる。大人になった今でも、あのため息を聴くとドキドキする。