多摩市総合福祉センター
東京都多摩市南野3-15-1
中世ヨーロッパの古城か、近世の城塞か。強固な岩盤に支えられて岩山の上にそびえる雄姿が目を惹く。岩盤に見えるのは1階部分のレンガの外壁なのだが、地面から連続しているように見えるデザインが秀逸だ。
建っている場所は小田急線・唐木田駅近くの尾根幹線道路沿い。何度もその前を通っているはずなのだが、その存在を意識したことがなかった。交差点を挟んだ斜向かいの中央分離帯にサツキ畑があって、10年前にそのサツキと一緒に撮った写真が残っているのだが、特になんの感想もなくHPにも掲載していなかった。
時を経てイイ感じにくたびれてきたところで味わいが出てきたということだろう。汚れた外壁をきれいにしろ、という方もいるかもしれないが、今この状態がわたしは好きだ。
主に高齢者や障害者のためのレクリエーション施設や研修室、デイサービスなどが入居している。年をとっても毅然としてありたい。そんな利用者たちの心を代弁しているかのような威容だ。
設計は類設計室（1997）。