髯狛犬
東京都小金井市本町5-41-36(稲穂神社)
一般にヒゲの濃い人が少ないのか、日本にはヒゲの文化がないように思う。漢字なら髭、鬚、髯、英語ではbeard、whiskers、sideburn、mustacheなどなど、日本語ではすべてが「ヒゲ」で片付いてしまう。
玉川上水からの分水と仙川が交差する「山王窪の築樋」を見に行って、その名前の由来になった山王様(稲穂神社)に立ち寄ると、立派なヒゲをたくわえた狛犬に迎えられた。反り返ってくるくると渦を巻いたほおひげ(髯、whiskers)が見事だ。ちょっとより目がちな愛嬌のある顔つきが、なにかのマンガで見た北欧のバイキングのようにみえる。
狛犬は獅子、つまりライオンだからたてがみ(鬣、mane)のつもりなのかもしれない。
子供と遊んでいる母狛にも髯(または鬣)があるけど、ま、いいか。そういえばキティーちゃん(ハローキティ)にもヒゲがあったな。猫だからね。でもミッキー (Mickey Mouse) はネズミなのにヒゲがない。日欧の文化の違いかな。
銘は「大正十年二月二十五日 社殿竣成紀念」とあった。