川越城本丸御殿
埼玉県川越市郭町2-13-1
川越城の本丸跡に天守閣はない。失われたのではなくもともと無かったようで、西南の角にあった三層の富士見櫓が天守の代わりをしていたという。
江戸城の天守は、振袖火事とも呼ばれる明暦三年(1657)の大火で焼失した後再建されることはなかった。天下泰平の江戸時代に天守閣の必要性はなかったということか。川越城も戦のための城よりも、政を司る庁舎としての機能が優先されたということだろう。
江戸時代の大半を治めた本丸御殿は弘化三年(1846)に焼失し、現存する本丸御殿は、嘉永元年(1848)に再建されたものだ。16棟、建物面積1,025坪(3,388m2)という大規模なものだったが、明治維新と共に解体され、立派な唐破風屋根を持つ玄関部分と付随する大広間、家老詰所だけが残っている。
月曜日の今日は残念ながら休館日。外から覗いたお庭は禅寺のように静かな雰囲気で、紅梅がひっそりと咲いていた。