若山牧水歌碑
埼玉県所沢市神米金278
川越から所沢へ帰ってくる途中、信号待ちをしている交差点の斜向かいにきれいな桜が咲いていた。ふと目をやると、その前に小さな看板が掛かっている。
「牧水の歌碑→」
矢印の先には小さな祠(八雲神社)があるけれど、歌碑があるならもっと大きな寺社や公園があっても良さそうなものだ。訝しく思って先に進んでみると、祠の後ろに民家と民家の間をすり抜ける細い路地があり、その路地の傍ら、民家の敷地内に小さな歌碑が建っていた。
「のむ湯にも焚火の煙匂ひたる 山家の冬のゆふげなりけり 牧水」
碑文によれば、ここは若山牧水の祖父・健海の生家だという。宮崎に生まれ、大学進学のために上京した牧水は、3歳の時に亡くした祖父を懐かしんで、何度かこの家を訪れた。それを記念して建てられたようだ。
わざわざ電車・バスを乗り継いでこの地を訪れるのは億劫だ。自動車ならたまたま通りかかっても見過ごしてしまうだろう。自転車散歩ならではの出会いに、なんだか得した気分になった。