麦山浮橋
東京都西多摩郡奥多摩町川野59付近
手塚治虫のTVアニメ「鉄腕アトム」に、一つ一つは小さいけれど、電車のように連結・合体して巨大なムカデ型になるロボットが登場する。この橋の姿を見て、そんな、昔々に白黒で見た番組のことを懐かしく思い出した。
通称「ドラム缶橋」と呼ばれているけれど、実際にドラム缶を浮きに使っていたのはずいぶんと昔のことになる。今はスマートなフロートをきれいに並べ、すまし顔で静かに湖面に浮いている。
対岸に集落はなく、ヌカザス尾根を経て三頭山へ至る登山ルートも都民の森ができた今は人気がなくなり、ドラム缶橋を渡る人も少なくなったようだ。
今日も人影はなく、奥多摩湖のど真ん中に一人プカプカと浮かんでまったりできる、と思ったのだが、写真を撮ったら満足してしまって渡ってくるのを忘れてしまった。あっと気づいて引き返すと、なんとメンテナンスで渡り板の一部が外されている。そういえば、写真を撮って戻ってくる時に工事の格好をした人たちとすれ違ったっけ。
また来ればいいや、と簡単に言えないところなのでちょっと悔しい。