2014年10月29日(水)

田植の像

東京都八王子市北野町546付近 北野駅北口ロータリー

田植の像

京王線北野駅前のロータリーに田植えをする農民の像が建っている。周辺の土地区画整理事業の完成を記念して、昭和56年(1981)に建てられたものだ。作者は彫刻家・高橋剛。

駅前

散歩先で土地区画整理事業の記念碑を見ることは多い。大きな石を使った仰々しい記念碑は、町角に立って自分の業績を自慢する政治家みたいな姿が好きになれずにスルーしてきたのだが、この碑は整理事業以前の昔を懐かしむ雰囲気が伝わってきて以前から気になっていた。

田植えをする女性(早乙女)と顔を上げて腰を伸ばす男性。右手を笠に掛けた農夫は、田植えの出来を検分し、秋の実りに思いを馳せているのだろう。その心の内にはやがて失われる農村風景を目に焼き付けておきたい、という思いもあるかもしれない。

ここまで来る途中の浅川沿いにも、この先の湯殿川沿いにもまだ残っている田んぼを見ることはできるけれど、それもだんだんに少なくなっていくのだろうか。散歩者は無責任に失われる風景を惜しむけれど、当事者にとっては後継者問題やらなにやらいろいろと大変なんだろうな。

建碑の由来