赤かぼちゃ
香川県香川郡直島町2249-40 直島・宮浦港緑地
直島に船が近づくと、遠くからもよく目立つこの赤かぼちゃが旅人を出迎えてくれる。島を離れるときも、最後まで見送ってくれるのは赤かぼちゃだ。島を代表するアート作品として、というか島民全体を代表して、島に出入りする船を見守っている。
ベネッセが直島でアート活動を始めた初期の頃(1994)に制作された琴弾地浜の黄色い「南瓜」が、そわそわと落ち着かない、今にもどこかへ行ってしまいそうな感じなのに対して、島にアートが根付いた2006年に制作された「赤かぼちゃ」は、どっしりと腰を下ろしてここに土着しているイメージだ。草間彌生がそれを意図したかどうかはわからないけれど、それぞれの表情は、二つの作品が制作された時の隔たりとその間の時代の変化を如実に表している気がする。
港に船が着くと、とりあえず行き先の決まっていない人たちがワッと寄ってくる。中に入ったり、穴から顔を出したり、記念撮影の順番待ちになるので、じっくり見たければ船のいない時間帯、あるいは出港待ちの空き時間がいい。