2014年11月6日(木)

直島の狛犬

香川県香川郡直島町本村地区

阿形

「あんがー」擬音を付けるとすればこんな感じ。西川きよし師匠のようにまん丸な目を見開いて、驚きのあまりアゴがはずれてしまった体。あるいはマンガ・ワンピースの主人公・ルフィーのビックリ顔かな。

吽形

西日本の狛犬には上方漫才の血が入っているのかも。護王神社正面の狛犬を見てそんなことを思った。嘉永五年(1852)、ペリー来航の前年の作。変わりゆく日本の空気を感じて「大変なこっちゃ」と思っている顔かもしれない。

直島八幡神社の境内社の狛犬は、苦虫を噛みつぶしたチャールス・ブロンソンかあるいは妖怪人間ベムにも似ている。文化五年(1808)奉納。

よく見ると手足が傷ついている。掛けられた白い布が三角巾のようで痛々しい。脇には陸軍大将の名の記された忠君、報国の立派な柱が聳えている。彼らは靖国神社を護っているのだ。それを知って改めて見ると、国のために戦い、傷痍軍人となって帰ってきた兵士の悲しみを代弁している顔に見えてきた。