男山本店店舗
宮城県気仙沼市魚町2-2-14
気仙沼港に面して震災の遺構が残されている。王冠のような、あるいは閻魔大王の冠り物のような、特徴のあるパラペットが印象的だ。
建物の下部はシートで覆われて修復を待っている様子だ。全体が見えなくても文化的価値のありそうな雰囲気は伝わってくる。早く復興された姿を見たいものだ。
でも、なんか、バランスが悪い感じ。
「工事中」を知らせる横断幕の説明を見て驚いた。元の姿はなんと三階建てだ。国の登録有形文化財に登録された堂々たる建物が津波で流され、だるま落としのように三階部分だけがストンと落ちて残された。
男山本店は大正元年(1912)創業の酒蔵で、この建物は店舗を併設した本社社屋として昭和7年(1932)に建てられた。高台にあった酒蔵はわずか数メートルのところで津波の被害を免れ、震災翌日から操業を再開できたそうだ。
※ 歴史的建造物の保存運動団体「気仙沼風待ち復興検討会」の協力により、残った建築材料を利用して再建、2020年7月15日に完成式典が行われました