二ヶ領上河原堰
神奈川県川崎市多摩区布田
二ヶ領上河原堰は川崎側の多摩川青少年サイクリングコースのスタート地点だ。まだ東京側が整備されていなかった30年前に、ここを起点にして羽田まで飛行機を見に行った日々が思い出される。
中野島取入れ口から二ヶ領用水に水を引くために作られた堰で、私が子供の頃は棚田のような階段型になっていた。水勢も今より弱くダムを上り下りしたり対岸に渡る橋代わりにしたりして遊んだものだった。
資料によれば、昭和46年(1971)に台風による被害のため今の形に作り替えられ、その際に取水ダムとしては空前の5メートル以上の高さにしたという。新しいダムを見た時に、なめらかなカーブに新しさを感じる一方で、遊び場を取られた思いがしたのを思い出す。
慶長16年(1611)に二ヶ領用水が完成した時にはここが唯一の取り入れ口だったが、その後需要が増えて、寛永6年(1629)に今の小田急線の下流に宿河原取入れ口が作られた。ここからの流れを上河原線、宿河原取り入れ口からの方を宿河原線(宿河原用水)と言う。
多摩川から離れて用水沿いに走っていくと、小田急線向ヶ丘公園駅に着くが自転車で渡れる道がない。しんどいが歩行者用の歩道橋を担いで渡る。この先、用水は府中街道に並行していくので走りにくくなる。
稲生橋から右に折れて生田緑地に寄っていこう。