二子玉川・兵庫島
東京都世田谷区鎌田1-1
野川と多摩川の合流点にある兵庫島は、いつも大勢の人で賑わっている。
むかし由良兵庫助と言う武士の死体が流れ着いたことからこの名がついたというおどろおどろしい場所だが、思い思いに楽しんでいる善良な市民にはそんなことはお構いなしだ。
ところでこの由良兵庫助が主君である新田義興と共に討たれた矢口の渡しは、ここより下流の大田区にありちょっと辻褄が合わない。それで、矢口の渡しは上流の矢野口の渡しではなかったか、と言う説がある。
新田氏は分倍河原や人見が原、金井原に足跡を残しており、少しはずれてはいるが矢野口あたりを通って鎌倉へ行った事もあったかも知れない。とはいえ、矢野口周辺には新田氏の伝承はほとんど無く、新田神社などが伝わる矢口を本命と見るのが良さそうだ。