2016年2月9日(火)

旧万世橋駅

東京都千代田区神田須田町1-25-4 マーチエキュート神田万世橋

2013プラットホーム

万世橋駅に電車は止まらない。ガラス張りのホーム(2013プラットホーム)の脇を、JR中央線のオレンジ色の列車が勢いよく通り過ぎていく。水族館でマグロやジンベイザメを見るのに似た不思議な気分がする。

高架橋

辰野金吾設計による赤煉瓦の初代駅舎は関東大震災で焼け、再建された駅も昭和18年(1943)には営業を終了した。旧駅舎を利用していた交通博物館も平成18年(2006)に閉館してその存在も忘れられてしまうのかと思いきや、残された高架橋の下に平成25年(2013)に商業施設マーチエキュート神田万世橋がオープンした。今はかつてのプラットホーム跡に設けられたおしゃれなカフェや無料の展望デッキで、電車を見ながら憩いのひとときを楽しむことができる。

神田川に架かる万世橋から見ると、きれいにメンテナンスされた高架橋の眺めが壮観だ。草ぼうぼうのまま放置されて70年間日の目を見なかったホームが蘇ったのも、レトロな「レンガ造り」のおかげだろう。4年前にリニューアルした東京駅もレンガ造りだった。横浜赤レンガ倉庫など観光資源として活かされているレンガ造りの建物も多い。

現代のガラスとコンクリートの建造物たちは、未来の世界でもこんな風に愛され続けられるだろうか。

旧万世橋駅について | 旧万世橋駅遺構