2016年3月31日(木)

山茱萸(サンシュユ)

東京都青梅市梅郷4-527 梅の公園

飛行機雲

梅の無くなった梅の公園に山茱萸の花が咲いている。紅白の梅に埋めつくされた公園のところどころに咲いてアクセントになっていた黄色い花が、今は主役になっている。

留守番

主役とは言っても、がらんと広い舞台の片隅で、スイセンなどの数少ない共演者たちと懸命に演じる彼らに観客はいない。それでも、主の留守を守ってけなげに春の唄を歌っている。

そんな彼らを青い空と白い雲が温かく見守っている。

すべての梅が伐られてから2年が経った。ウィルスの終息宣言が出て、梅の栽培が再開されるのはいつになるのだろう。それまでの間に、さまざまな代役が送り込まれてくるだろう。あの時代を知っているのは山茱萸だけになってしまうかも知れない。

老優は新しい演者たちに昔話を聞かせながら、毎年いぶし銀(金?)の花をつけて主人の帰りを待ち続けるのだろう。

在りし日の梅の公園