ナータくん
東京都豊島区長崎1-9 長崎不動尊
マンガ地蔵を訪ねた金剛院の門前に赤い幟が賑やかに立ち並ぶ小祠がある。気になって覗いてみると、祠の横でかわいいお不動さんが睨みを利かせていた。台座に「ナータくん」と名前が書いてある。
祠に祀られているのは長崎不動尊。ナータくんはこの不動尊をゆるキャラにしたものらしい。「ナータ」とはサンスクリット語で守護という意味で、不動明王は「アチャラナータ(動かない守護神)」とよばれるそうだ。金剛院のブログによると2010年に制作されたという。
それにしても仏さままでゆるキャラになってしまう時代か、なんと嘆かわしい、と言うなかれ。仏像や曼荼羅、あるいは縁起や説話を図解にした絵図など、大衆に神仏の教えを広めるために昔の人は様々な工夫を凝らしてきた。今は美術品や文化財として高尚なもののように扱われているものも、当時の人たちにとっては漫画やゆるキャラに相当するような俗なメディアだったんじゃないかな。
そういえば孫が楽しみに見ているアニメに、モノに付いている神様のタマゴの話(※)があるけれど、あれって付喪神(つくもがみ)だよね。百鬼夜行絵巻などに描かれている道具の妖怪はあんなにかわいくないけれど、描かれた当時は(今風にいえば)キモかわいいキャラクターとして愛されていたことだろう。日本人は昔からゆるキャラが好きなんだね。
※ かみさまみならい ヒミツのここたま(テレビ東京系)
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