どんど焼き
東京都府中市宮町3-1 大國魂神社
大國魂神社でどんど焼きをするのは、創建以来初めてのことだという。これまでは通常のお焚き上げの一環としてお札などと同じように正月飾りも焼いていたが、どんど焼きをする場所が少なくなったことから今回初めて神事として執り行うことになったそうだ。
山と積まれた正月飾りの前には祭壇が設えられ、神官が祝詞をあげ無病息災・五穀豊穣を祈願して火をつける。類焼を防ぐために金網で囲われたどんど焼きの炎は、さまざまな形に変化して、檻の中に封じ込められた火の神が暴れているように見える。
吉兆を願って殊更に高く炎を上げることもなく、お団子を焼いてワイワイと楽しむのでもなく、神事は粛々と行われていく。これまでに見てきたどんど焼きとは、幾分勝手が違うけれど新鮮だ。
どんど焼きは「松の内」の明けに正月飾りを燃やして年神様を天に帰す行事だが、松の内とはその名の通り松飾りをしている期間のこと。府中では大國魂大神(大黒様)が散歩に出て八幡様に待ち惚けを喰い「まつは大嫌いだ、まつのはいやだ」とおっしゃったという故事から、松(待つ)飾りをしないのだというが、この期間はなんと呼ばれているのだろう。
そのことと関係があるのかどうかは分からないが、大國魂神社のどんど焼き神事は他所のどんど焼きとは別日程で行われ、そのおかげで今年は町田と府中の二か所でどんど焼きを見ることができた。
いいことがあるといいな。