2018年3月31日(土)

新ゴジラ

東京都千代田区有楽町1-2-2

シン・ゴジラ

映画「シン・ゴジラ」(2016)の「シン」には新、真、神などさまざまな意味が込められているらしいのだが、これは「新ゴジラ」。日比谷シャンテのリニューアルに伴って、シャンテ前の合歓の広場にあったゴジラ像がシン・ゴジラのイメージに変わり、広場の名前も「日比谷ゴジラスクエア」になった。

咆吼

ネタバレになるが、映画のラストでゴジラは凍結され、まさにこの像とほぼ同じポーズで東京駅前に静止する。ゴジラによって破壊された東京の復興が進む中、ゴジラだけはこの姿のまま残されることになるようだ。主人公・矢口蘭堂(巨大不明生物特設災害対策本部)の、「人類は、ゴジラと共存していくしか無い。」というセリフがゴジラ像に添えられている。

凍結されたゴジラは、いまだ終息の目途が立たない福島原発の状況を想起させる。共存はしたくないけれど、それがやむを得ないならば我々はどう行動すればいいのだろうか。新しい商業施設の開業で浮き立つ人々の中で、一人暗澹たる気持ちになってしまった。

金儲け主義のエンターテインメントで安直に3.11を語るなという批判もあるようだが、今後わたしは、この像を見るたびに福島の事を思い出してしまうことになるだろう。

以前のゴジラ像