交通博物館前の看板建築
東京都千代田区神田須田町1-5
秋葉原の交通博物館の閉館(5月14日)が、いよいよ秒読み段階に入ってきた。この連休は大変な人混みになるらしいとTVや新聞が報じている。根津・入谷辺りを走った帰りに、ちょっと寄ってみた。
ちょうど閉館時間で、博物館前は大勢の人でごった返していた。新幹線とD51の前で記念写真を撮る親子連れや、何となく立ち去りがたい想いでノスタルジーにひたっている人たちが一杯だ。
前回撮り損ねた全景の写真を3枚貼付の合成写真で作ってみた。色やゆがみの修整がままならないが、コルビュジエ(Le Corbesier)のアトリエで働いた経験を持つ鉄道省東京改良事務所の土橋長俊が設計し、昭和11年(1936)に開館したという建物の最後の姿を残しておきたい。ガラス張りの階段室が印象的だ。踊り場の照明も凝っている。
建築関係でもう一つ。博物館正面に、中折れ屋根に銅板葺きの外壁が時代を感じさせる看板建築が一棟残っている。現博物館開館時の古い写真にも、広瀬中佐と杉野兵曹長の像と一緒に写っている古いものだ。町のご隠居さんとして、博物館を訪れる子供たちを見守ってきた、そんな雰囲気が漂っていた。
※ 左写真の看板建築は、周辺地域の再開発のため2012年秋に取り壊されました