2006年9月17日(日)

湯島聖堂

東京都文京区湯島1-4-25

鬼\頭・鬼龍子

伊藤忠太の怪獣探しに湯島聖堂を訪ねた。元禄三年(1690)に創建された聖堂は繰り返し火災の被害に遭い、現在の建物は伊藤忠太の設計により昭和十年(1935)に再建されたものだ。

昌平坂に面した正門からはいると、まず目にはいるのは斯文会館の屋根に住む翼を広げた一角獣(狛犬?)。棟には吻が尻尾をはね、軒下にもなにやらうごめいている。

大成殿

本殿にあたる大成殿には、派手に汐を吹く鬼\頭(きぎんとう)と、それを護るように四方を睨む鬼龍子が載っている。大成殿から左右に延びる回廊と杏壇門に囲まれた中庭に立つと、獣たちに四方を取り囲まれたようで気味が悪い。あちこちから低いうなり声が聞こえるようだ。大成殿の中には、震災で焼ける前の鬼\頭と鬼龍子が展示してあるが、今のものより優しい貌をしていた。

JRお茶の水の駅前にありながら、訪れる人はまばらで境内は静けさに満ちている。日本離れした造りと大きさに、ふと、中国の寒村に忘れられた遺跡に佇んでいるような錯覚におそわれた。

文部省の解説 | 鬼\頭 | 鬼龍子 | 斯文会館の一角獣