本居長世童謡碑
東京都目黒区下目黒3-20-26(目黒不動)
子供のうたといっても、わらべ唄と唱歌と童謡は違うという。目黒不動の境内に建つ「本居長世童謡碑」脇のポストに置かれた栞の中で、金田一春彦がそう書いていた。
子供たちが遊びの中で自然と口ずさんで伝えてきたのが「わらべ唄」。学校教育目的で作られたのが「唱歌」。一流の詩人と音楽家が子供のために作った歌を「童謡」という。本居長世は童謡を初めて作曲した音楽家で、碑に彫られた「十五夜お月さん(野口雨情作詞)」は大正9年(1920)11月27日に発表された日本で最初の童謡なのだそうだ。
当時は諸外国にも童謡というジャンルはなく、演奏旅行で訪れたアメリカで長世は絶賛されたそうだ。
最近は子供でも歌謡曲やポップスなどを聴く機会が増え、NHKの「みんなのうた」やアニメソングでも大人びた歌が流れるようになってきた。何十年かして、今の子供たちが昔を懐かしむときに、今の私達が童謡に感じるようなほのぼのとした郷愁みたいなものはどうなってしまうのだろうかと、ふと思う。