鎧神社
東京都新宿区北新宿3-16-18
大手町にある将門塚には、京都から飛んできた平将門の首が埋まっている。しかも、この首塚を中心に江戸市中に飛び散った体の各所も、それぞれの場所で丁寧に祀られているという。その内の一つ、JR中央線が神田川を跨ぐ箇所の近くにある鎧神社には、名前の通り彼の鎧が埋められていると伝えられている。
早稲田まで走った帰りに、ちょっと寄ってみた。宵闇が迫る境内では、提灯に灯が入り、将門のことを思うとこころなしか穏やかならぬ気持ちになってくる。
そんな不穏な気分を吹き飛ばす、楽しい狛犬を境内の末社で見つけた。狛犬らしからぬツルッとした体つきに、“くしゃおじさん”そっくりな顔立ちが何ともかわいらしい。子供がいたずらにつくったもののように見えるが、300年近く前から伝わるもので、しかも庚申塔を兼ねている珍しいものだという。
庚申信仰では、六十日に一度の庚申の日に夜更かしをするのが習わしになっている。怨霊の祀られた神社で夜更かしとは…。映画「となりのトトロ」でメイちゃんが発する、「怖いけど楽しいー!」というせりふを思い出した。