2007年2月1日(木)

妖獣の巣

東京都国立市中2-1 (一橋大学)

附属図書館

…と言っては失礼だが、一橋大学のキャンパスには妖しい獣がうようよしている。建築探偵・藤森照信教授によれば17種99匹の怪獣が建物のあちこちに巣くっているらしい(建築探偵東奔西走、朝日文庫)。

図書館の入口

兼松講堂などを設計した伊藤忠太の建物に怪獣がいるのはいつものことだが、これにあわせて全体をロマネスク様式で統一したために、ほかの設計者のものまで妖獣に占領されてしまった。

神社の獅子や龍の彫り物にも見られるように、洋の東西を問わず昔の人は幻獣を好んで身のまわりに飾った。最近のガラス面を多用した透明でスクエアな感じの対局にある、猥雑な生命力にあふれるこういう建物がわたしは好きだ。

兼松講堂・東本館