秋の野川
JR国分寺駅北側にある日立研究所の池を源流として、国分寺崖線の湧き水を集めて多摩川に注ぐ野川に、秋を探して走ってみよう。
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スタートは甲州街道にかかる馬橋から。春にはサトザクラや菜の花がきれいなところだ。右岸を行くとすぐの調布七中にはここを京王線が走っていたという標識がある。甲州街道の南側を走っている京王線が、甲州街道の北側を走っていた時代があったと言うものだ。
このあたりから祇園寺通りが交差する大橋を経て中央高速が交差する御塔坂下まで、春には多くの人を集めるソメイヨシノも今は人恋しげな黄葉を秋の陽に光らせている。
大橋からちょっと北へ走った柏野小学校の裏には小さな田んぼがあって、あぜ道を彩るヒガンバナが懐かしい景色を見せてくれる。
この先、野川公園までは整備されたサイクリング道路を走っていこう。途中、調布飛行場に立寄って飛行機を見るのも楽しい。公園の手前で人見街道を左へ折れると近藤勇の墓のある龍源寺と彼の生家跡がある。野川に沿った野川自然観察園には是非寄りたい。入口を入って左手の一角を埋めつくすヒガンバナの妖しい雰囲気はほかではなかなか見られないものだ。
西武多摩川線をくぐった武蔵野公園(紅葉・コスモス)から先は、サイクリング道路を離れて、北側の国分寺崖線に沿ったハケの道を行くことにする。小金井水田跡の碑を過ぎ、中村研一記念美術館と美術の森、ハケの森、金蔵院(萩寺)、滄浪泉園、三楽の森、貫井神社から、東京経済大学裏の小道を通って殿ヶ谷戸庭園などに寄りながら野川の源流を目指す。辿っていくハケの各所が野川の元になる湧水を育んでいる。
殿ヶ谷戸庭園から南に下って野川に戻ろう。もみじ橋に続く小径は、その名のとおり紅葉に彩られて、変な言い方だが「ニヤニヤが止らないぐらい」美しい。
次の不動橋から右へ別れていく流れは日立研究所に続いている。年に2回しか公開されていないが、大きな木々に囲まれた感じは外から見ても源流っぽい。国分寺駅前で、お茶なり食事なりをして戻ろうか。
不動橋に戻って南側の流れに沿ったお鷹の道を、もう一つの源流である武蔵国分寺跡へ向かって走ろう。源流のひとつと言われる真姿の池の湧水は、環境庁選出の名水百選に選ばれている。何にもない国分寺跡でちょっと昼寝というのも楽しいかも。
帰りは野川に沿ってまっすぐ戻るか、国分寺街道を南に下って大國魂神社からはけの道(府中崖線)か多摩川サイクリングコースに合流しても良い。
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