羽村・禅林寺 中里介山の墓
東京都羽村市羽東3-16-23
かつての五百円札に印刷されていた富士山の絶景は、奥秩父の大菩薩峠から南へ連なる小金沢連嶺の東側にある雁ヶ腹摺山から見たものだ。学生時代、山岳部で大菩薩峠から雁ヶ腹摺山への縦走を何度か計画したが、果せないままにこの年になってしまった。
大菩薩峠は、机竜之介という無頼剣士が主人公の大長編小説の舞台としても仲間の話題だった。ニヒルがカッコイイとされていた時代で、山の話の合間にこの小説がよく話題になったが、誰も全巻読破をしたものはいなかった。
羽村生れの中里介山が著した小説「大菩薩峠」は全20巻(ちくま文庫)という大作(未完)で、その長さは日本一とも世界一ともいわれているらしい。ギネスブックにはLongest Novelとしてプルーストの「失われた時を求めて」が記録されているが、翻訳では全10巻(ちくま文庫)しかない。マンガには「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本治、全139巻(ジャンプコミックス、2004年4月現在))という大作(?)があるが、それだけのものを書続けるエネルギーには脱帽する。