2005年7月16日(土)

健康センター・修景池の蓮

東京都府中市矢崎町5-21

白いハス

川端康成の短編「帽子事件」に「朝毎に上野の不忍池では、蓮華の蕾が可憐な爆音を立てて花を開いた」というくだりがある。まだその音に出会ったことがないが、蓮の花は本当に「ポン」といって咲くのだろうか。早起きして朝7時前に健康センターへ行ってみた。

ピンクのハス

2000年前の蓮の種を開花させたことで有名な大賀一郎博士が、戦後府中に移り住み大賀蓮の研究を行った縁で、府中市民健康センターの修景池畔には博士の胸像が置かれ、様々な品種の蓮が育てられていている。

大賀蓮は世界最古の蓮と言われ、昭和26年(1951)千葉の東京大学検見川厚生農場内にあった落合遺跡から発見されたものだ。発見された3粒の種のうちのひとつが翌年開花に成功し、いにしえのロマンの花咲くと有名になった。

公園の入り口には「蓮を観る会」の横断幕が張られ、すでにたくさんの人が集まっている。どうやら“爆音”には間に合わなかったようだ。

池の隣で、早くも練習を始めたテニスのポンポンいう音だけが、ハスの咲く音に代って公園に響いていた。