常演寺前の常夜燈
東京都調布市下石原1-52-4
甲州街道に今も残る常夜燈は、夜道を照らす道しるべとして多くの旅人を力づけてきた。
ろうそくの火を使うことから、通常は防火の神である秋葉大権現を祀ってあるが、下石原の常演寺にあるものは正面に「仁王尊」と彫られている。常演寺では南北朝時代の作と思われる一木造の仁王像を主尊として祀っているためだ。
仁王門の両側でいかつい形相をしている事からもわかるように、仁王様は門番として村を警護する。日々の暮らしの安全を願って建てられたのだろう。
火袋と呼ばれるろうそく立ての正面には三つ巴の紋が彫られているが、これは水流を表すことから防火の意味があるそうだ。向かって左(東)の窓は三日月、右(西)の丸い窓は太陽をかたどって、月が昇り日が沈む夜を表していると思われる。
背面には「嘉永三戌年(1850)五月」とあった。
(甲州街道の常夜燈) 西光寺前 →