小野小町歌碑
東京都多摩市連光寺1-4
クレオパトラ、楊貴妃と並んで世界三大美女に列せられる小野小町の歌碑が乞田川河口に近い高台にある。
乞田川に架かる向ノ岡大橋のさらに上を跨ぐ桜橋の袂に、桜の花に囲まれて建つ様は「花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに」の歌そのもののようだ。川崎街道と鎌倉街道の喧騒を離れて、仙人のような気分で市井の暮らしを展望して悦に入る。
碑文には「武蔵野の むかひのおかの くさなれば ねをたづねても あわれとぞおもふ」とある。“むかひのおか(向ノ岡)”は、多摩丘陵の古名だ。小野小町がこの地に旅した時に詠んだと伝えられている。一人旅だったのか、誰かと一緒だったのか、いきさつはわからない。近在には小野神社や小野路などの名前が残っているので、これと関係があるのかも知れないと、色々な思いをめぐらしながらしばし佇む。
付近は大がかりな工事中で、碑もフェンスの内側にあって碑文などを子細に見られないのが残念だ。
※ その後、周辺は対鴎台公園となり碑も間近で見られるようになりました
多摩市教育委員会の説明板 (2005/11/26追記)