2005年8月26日(金)

小田原提灯

神奈川県小田原市

小田原提灯

えーっさ えーっさ えっさほいさっさ

おさるのかごやが下げていた小田原提灯は、江戸時代中期、小田原の提灯職人甚左衛門が考え出したといわれており、「三徳」と呼ばれる三つの特徴がある。

(1)まげし(上下の蓋)に大雄山最乗寺の霊木(杉)を使っているので、その霊力によって妖怪変化に会わない

(2)折りたたむと懐中に入るので携帯に便利

(3)胴の蛇腹部分の竹ひごが四角形に削られているので糊付け面が多く、雨や霧で容易にはげない

箱根の山越えに最適なように工夫された三徳だが、一般の旅道中にも便利ということで人気があったらしい。“妖怪変化に会わない”というのがいいじゃないか。

現代の日本ではどこへ行っても灯りがあふれていて、闇に怯えるということが無くなってしまった。それでも、多摩川や野川のサイクリング道路を走っていると、誰もいない、明かりもないところを通ることがある。そんな時、「小田原提灯があったらなぁ」と思うことがある。