国際基督教大学・泰山荘
東京都三鷹市大沢3-10-2
国際基督教大学と言うよりもICUと略す方が通りがいい。そんなInternationalな雰囲気があふれるキャンパスの奥に、武蔵野の雑木林に囲まれた純和風な空間がある。
実業家山田敬亮の別荘として昭和14年(1939)に竣工した泰山荘だ。学園祭にあわせて期間限定で一般公開されている。光あふれる庭園では茶道部が野点を振る舞っていた。
幕末に北海道を探検した松浦武四郎が明治19年(1886)に建てた「一畳敷き」と呼ばれる畳一枚の書斎と、茶室、水屋からなる高風居は各地の歴史的構造物の古材を集めて作られたという貴重な建物だが、今日は保存工事のため全体を見ることはできないのが残念だった。
一般公開の明るい野点とは対照的に、侘びを感じる秋の林の中では、備前池田家上屋敷の「池亭」を移築したという「待合」で招待客だけのお茶会が静かに行われていた。