東京水道発祥の地(淀橋浄水場跡)
東京都新宿区西新宿2-11-2
西新宿の超高層ビル街は、縦横の道路が二層に交差していて不思議な位相空間を作っている。普通に地上を歩いて1階からビルに入り、2階に上がるとまたそこに地面があって面食らうというわけだ。
ここはかつて東京の水瓶だった淀橋浄水場の跡地を再開発したところなので、浄水槽の底面と水面の二つの地面があると言うことだろうか。
昭和46年(1971)に京王プラザホテルが建って以来、30年余りの月日が流れた。街路樹のケヤキは大きく生長し、今の季節は、ビルの隙間を縫って射込む陽をうけて黄金色に輝く姿が美しい。
今や、浄水場がこんな都会のど真ん中にあったなんて想像することもできないほどに景色は変ってしまった。(というか、当時の新宿は「都会のど真ん中」ではなかったということだな。)
かすかな手がかりとして、住友(三角)ビルの裏手には、当時の浄水場で使用されていた蝶型弁がひっそりと飾られている。