獅子と高麗犬
東京都世田谷区喜多見4-26-1(氷川神社)
散歩先で写真を撮っていると、特に集めようと意識していないのに何となく貯まってしまうテーマがある。神社の狛犬もそのひとつだ。
写真は撮るもののあまり注意して見たことがなかったのだが、喜多見の氷川神社で立派な角を頭に載せた狛犬を見つけてちょっと興味が湧いた。
調べてみると、一般に狛犬と呼ばれているものは獅子と高麗犬という別々の動物であるらしい。向かって右の口を開いた(阿形)角のない方が獅子、左の口を閉じて(吽形)角を頭にはやしたのを高麗犬と言い、神社に限らず一般に入口を警護する動物として襖絵に描かれたり、帳(とばり、貴族の寝台にめぐらすカーテンのようなもの)の裾に置いて風になびかないように重しにした例があるという。
そんな由来も年月を経て忘れられてしまったのか、これまでの写真を見返してみても角のあるものは見あたらなかった。いくつかにはボタンのようなかすかな形跡が残っている。右写真は「獅子」のはずだがお饅頭を頭に載せている。そんな風に、本来の意味や形を失ってもなくならずに残っている例が身近にもあったように思うのだが、ちょっと思い出せない。
台座には“文化四丁卯歳五月吉祥日”(1807)とあった。