梨の花
東京都稲城市東長沼
稲城のナシ園で、梨の花が咲き始めた。農家の人たちは、桜の花見もそこそこに花粉付けに忙しい。
鉄パイプで組まれた棚一面に雪が降ったように咲いている。藤は下から仰ぐが、梨は花が上を向くのでちょっと背伸びをして棚の上から見るといい。夏になったら梨もぎが楽しみだ。
歌舞伎の世界を梨園(りえん)という。唐の玄宗皇帝が歌舞を好み、梨園で音楽を教えた故事に由来して演劇界一般を梨園と言い始めたのが、今では特に歌舞伎の世界を指すようになった。もちろん、玄宗皇帝が楊貴妃と遊んだ梨園はこんなパイプ組のナシ園ではなく、もっと自然な、今でいう梅林みたいな感じに梨の木が植えられていた庭園だっただろう。
そういうナシ園で美しい女性と春のうららを楽しめたら…と、ちょっとおじさんな夢を見た。
※ 稲城市の梨の年間収穫量は940tで東京一。2位小平市(224t)の4倍以上。(東京農林水産統計年報 2006〜2007)