2007年8月12日(日)

都内最古の狛犬

東京都目黒区下目黒3-20-26(目黒不動)

阿形

目黒不動の階段の上り端にちょっと変った狛犬がうずくまっている。くるくる巻毛のロングヘアーやグリッとした目を剥き出した様子は、一昔前のウェストコーストのロックスターのようだ。

吽形

とくに説明もないので前回来たときには見過してしまったが、これは承応三年(1654)に寄進された都内最古の狛犬であるらしい。腕に彫られた年号は読みにくいが、胸には「唐獅子」という文字がはっきりと読める。仁王像をまねて阿吽のポーズはとっているものの、「角のない阿形の獅子と、角をはやした吽形の高麗犬」とされる狛犬とは、違うものとして納められたようだ。

それにしてもこのインパクトのある造形は何だろう。六郷神社にある大田区最古(1685)の狛犬も変った顔をしていたけれど、共に江戸時代初期の遊び心がかいま見えるようでおもしろい。

大田区最古(貞享二年)の狛犬